「つながる」をつくる、丸亀製麺。

映画監督

本広 克行

2025.9.17


大人気シリーズ「踊る大捜査線」にはじまり、映画監督として数々のヒット作を打ち出し続けている本広克行監督。今回は、そんな監督と丸亀製麺で讃岐うどんツアーを決行!最後に訪れたのは香川県丸亀市の離島・讃岐広島にある、丸亀製麺うどん職人育成の拠点「心の本店」。ここで最後の一杯を食べた監督に直撃しました。うどん文化を深く知る監督から見た丸亀製麺とは―――?

うどんが好きすぎて作ってしまった、映画「UDON」

今日のうどんツアーでは何玉食べられたんですか?

ええと、どのくらいだろうね…全部で7玉?

すごいですね。うどんは、小さい頃から好きだったんですか?

好きでしたね。小学生の頃に丸亀市に引っ越してきたんですけど、そこで初めて本場の讃岐うどんを食べて、うどんのおいしさに目覚めちゃって。当時は今より安くて、一玉80円のうどんを自分で湯がいて、出汁を入れて、完全セルフで食べてました。学校終わりに毎日通ってましたね。

映画「UDON」を作ったきっかけはなんだったんですか?

東京から久しぶりに香川に帰ってきたとき、ふとお気に入りだったうどん屋さんに行ったら、昔より格段においしくなってたんですよ。丁度うどんブームでもあって、「このブーム、仕掛人がいるな?」と。色々調べて、辿り着いたのが映画にも出てくる「麺通団」でした。「この人たちが讃岐うどんをおいしくしたんだ!」と気がついて、麺通団の言っていることを再現した映画を作ろう!となりました。
昔は、うどん屋っていうとちょっと馬鹿にされたりもしたそうです。でも、映画でさらにブームが加速して、うどんの社会的価値が上がって、今や香川はうどん県、うどん屋は尊敬される存在にまでなりました。映画制作でできることの、一番理想的な形が叶えられたんじゃないかと思います。

ちなみに、丸亀製麺にはよく行かれますか?

行きますね。もう、異常にうどんが食べたくなるときがあるので、そういうときに。新作も必ずチェックしに行きます。
定番は釜揚げうどんで、得(2玉)を頼みます。大きな桶で出てくるので周りのお客さんに「うわ~」って見られるんですけど、ペロッと食べちゃいます。 丸亀製麺さんの麺と出汁には香川のうどんに匹敵するものがあると思ってて、そういううどんが東京でも食べられるのは本当にありがたいです。

心の本店の味わい、そしてうどんの難しさ

本広監督から見て、丸亀製麺はどうですか?

とにかくパワーがすごいですね。丸亀製麺さんの高松店は店舗ができたばかりの頃、かなりの逆風だったと思うんですよ。でも、丸亀製麺さんはまったく負けず、新しいことにどんどんトライしてて、むしろぐいぐい行ってた。この讃岐広島の「心の本店」のこともとある番組で知って、びっくりしました。ここ(讃岐広島)、僕が小さい頃に海水浴とか夜釣りとかするのによく来てたところなんです。だから「あそこでこんなことするんだ!」って。この取り組みもすごいですよね。

今回、「心の本店」のうどんも召し上がっていただきました。麺には讃岐広島で作った小麦も使用していますが、違いは感じますか?

全然違いますね。普段食べている丸亀製麺さんの麺より小麦の味や香りが強くて、色も少し茶色っぽい。めちゃくちゃおいしいです。

うどんって、シンプルゆえに素材の違いがダイレクトに出ますよね。

そうなんですよ。あと、コンスタントにおいしいうどんを出し続けるのもすごく難しい。僕の弟も一時期東京でうどん屋をやってたんですけど、お客さんの期待に応えようとするあまり味がぶれてしまったり、技術的にも精神的にもすごく大変そうでした。
だから、各店舗にうどん職人さんがいて、腕を磨き続けている丸亀製麺さんは本当にすごいと思います。この「心の本店」もそうですし、職人さんを支えるバックアップ体制がしっかりあるんでしょうね。

つづけて、つないで、ひろがる「うどん」

今後、映画監督としてトライしたいことはありますか?

最近は、今まで作ったものの続編をご依頼いただくことが多くて。ほぼすべての映画がそうです。本当に幸せなことですよね。これからも、みなさんのご期待にこたえられるものを作っていけたらと思います。
あと、若いうどん屋大将とは、さぬき“うどん”映画祭とかやってくれないかな~って、そんなこともしゃべってたりしますね(笑)。

やっぱりずっとうどんなんですね(笑)。本広監督にとって、うどんとはなんですか?

色んなものを「つなぐ」存在ですかね。うどんだとみんなついてきてくれるから、その人たちを喜ばせたくてうどん屋にたくさん連れて行ってたんです。そうしたら、色んな人たちとのつながりがどんどん生まれて、映画まで作っちゃって。こんな食べ物なかなかないと思うんですよ。ただおいしく食べるだけじゃない、うどんを通してつながっていくっていう。

確かに。そんな「うどん」を作る丸亀製麺に、今後期待することはありますか?

若いうどん屋大将と丸亀製麺さん渋谷店のコラボだったり、その大将たちと丸亀製麺さんとで一緒にうどんを食べに行ってたり、丸亀製麺さんって実は本場の職人さんとすごく交流してるんですよね。そういうのを丸亀製麺さんがやってくれてることが本当にすごいし、素晴らしいことだと思うんですよ。今まで、誰もそんなことできなかったんです。
丸亀製麺さんは僕らの考えることより先をどんどん進んでいってくださるから、これからもそのまま、イベントと食のコラボとか、海外に向けてとか、色んな人をうどんでつなげて、うどん文化を広げていってほしいですね。あと、「UDON」の続編で「UDON通(2)」もね、作ってほしいです!(笑)

PROFILE

本広 克行(もとひろ・かつゆき)

香川県丸亀市出身。映画監督・演出家。演出を務めたドラマ『踊る大捜査線』が大人気を博し、監督として挑んだ同シリーズの映画2作目で第27回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。2006年には香川県を舞台にした映画「UDON」を制作。その他アニメ、舞台作品、テレビ番組など幅広い作品に携わる。「踊る大捜査線 N.E.W.」が2026年公開予定。