落語家
立川 吉笑
2025.9.17
この日の取材は、真打昇進を記念した落語会の本番直前。舞台袖に控える合間を縫ってインタビューに応じてくれたのは、いま最も注目される落語家のひとり、立川吉笑さん。型にとらわれない独創的な創作落語で注目を集める吉笑さんに、丸亀製麺とのコラボ企画「耳で味わう丸亀寄席」の裏側や、うどんの楽しみ方などについてお伺いしました。
一杯のうどんが、一本の落語に
まずは、新商品を落語でPRする「丸亀寄席」はどういった流れで始まったんですか?
これが、本当に突然メールをいただいて。私はお仕事の依頼も自分でチェックするものですから、最初は「あ、これ詐欺だ」と思いましたね(笑)。丸亀製麺さんが落語でPR?そんなはずはないだろう、意味が分からんって驚きました。
実際は本当の話だったわけですけど、やってみていかがでしたか?
私自身、新作落語という自分で作った落語をメインに活動しており、依頼を受けて落語を作るという経験もそれなりにやってきていたので、特に難しさを感じることはなく、楽しく取り組めました。演芸場の雰囲気を出すために、あえて音声にノイズの加工を入れたり、細かいこだわりも詰まっていて、丸亀製麺の皆さんと一丸になって作りあげていった思い出があります。
この企画を経験したことで、丸亀製麺のイメージは変わりましたか?
もう、うどんは丸亀製麺一択になりました(笑)。あと、意識するようになると、自分の活動範囲のなかに丸亀製麺のお店が案外あって。「こんなところにもあったのか」と再発見することも多くなりました。
うどんへのこだわりも知れましたし、特に麺ですよね。国産小麦100%で、それぞれのお店で打っているという。だから、真打昇進披露興行での「後ろ幕」を丸亀製麺さんに作っていただいたんですけど、そこに描かれている波模様のうどんも、人工的な白ではないんですよ。少し小麦の雰囲気が残った、繊細な色合いで仕上げていただきました。
抗いがたい、限定メニューの誘惑
丸亀製麺ではどんなメニューを頼まれるのですか?
自分の理想としては一番シンプルな釜揚げうどんを頼みたいと思っているんですけど、季節ごとの限定商品があるじゃないですか。それがとにかく美味しそうに見えて、いつもその誘惑に負けちゃうんです。
サイドメニューは色々試したいんですけど、ついつい大きな天ぷらに手がのびがちで。ちくわ天だったり、なぜか長いものを取ってしまう性分です。だから、いつも同じ天ぷらになりがちですね。冒険できないというか。
ちなみに、どんなときに丸亀製麺を利用していますか?
落語の勉強会を神保町でやっているんですけど、そこにも丸亀製麺の店舗があって、会が終わってからよくみんなで行ったりします。店内が広々としているから大人数で行っても座りやすいですし、また落語界は先輩が食事代をおごるんですけど、財布にもやさしいというか(笑)。
極端なことを言えば、後輩に2000円渡して、どれだけ贅沢してもいいから好きなものを頼んでと言ったところで、多分使い切れないくらいなので。気軽にごちそうできて、ありがたい存在です。
ご自身がPRした商品も気になるんじゃないですか?
以前、「焼きたて牛すきごぼ天ぶっかけ」という商品を落語でPRしたんですけど、丸亀製麺は目の前で調理してくれるので、ついつい見るようになりましたね。注文が入ってから牛すきを調理してくれるんですけど、「よし、ちゃんとやってるな」って偉そうに監査している気分で見ています(笑)。
王道のなかにある、あそび心
丸亀製麺も新作を次々に販売していますが、新作落語を得意とする吉笑さんから新作を考案する上でのアドバイスをいただけますか。
やっぱり落語もそうですけど、奇をてらったことをやりすぎないこと。へんてこな落語をやってもしょうがないですから、王道をまずはおさえて、しっかり軸を立てた上で、どうオリジナリティを出していくか。それが新作を考える上で大事なことだし、楽しい部分だと思います。
今後の目標についてもお聞かせください。
今回、真打昇進という節目のタイミングに、丸亀製麺さんとのご縁を頂戴して。この作って頂いた後ろ幕は、これからも一生、私の真打昇進時の写真に載ることになるので、恩返しすべく、末長く落語家を続けられるように頑張りたいです。ちなみに、この後ろ幕にはいろんな師匠方もびっくりしていて。「お前、丸亀製麺とどんな関係なの?」「実は、これこれこうでした」「それは良かったな!」みたいなやり取りをよくしています。
最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
自分は、丸亀製麺では決まったメニューばかりでなかなか冒険できないタイプなんですけど、皆さんまずはサイドメニューの全種類制覇をそれぞれの目標にしていきましょう!
あと、丸亀製麺がある場所の近くには、おそらく落語の公演をやっているところがあります。それくらい落語は色々なところで毎日やっているものなんです。伝統芸能だし、堅苦しそうなイメージがあるかもしれませんが、自分は映画や漫画と同じ娯楽の一種だと思っているので。映画館に行くような気持ちで、落語も楽しんでほしいですし、思いっきり笑ったあとは、近くの丸亀製麺でしっかりお腹を満たしていただければと思います。
立川 吉笑(たてかわ・きっしょう)
1984年生まれ、京都府出身。型にとらわれない創作落語やパフォーマンスで注目を集める新進気鋭の落語家。2010年、立川談笑に入門。2012年に異例のスピードで二つ目、2025年には真打昇進を果たす。演劇や文筆活動など活動の幅を広げながら、言葉の力と表現の可能性を追求している。